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第1話

小説のタイトルをつけるのが苦手な私は、いつもあまり「なろう」らしくないタイトルしかつけられなくて少し残念に思ってました。


 ちょっと「なろう」らしいタイトルを付けたくて考えたお話しです。


どこかの世界のここではない国のゆるーい童話設定で読んでくださるとありがたいです

「すまない、ディー。僕との婚約を解消してもらえないだろうか?」


 私の部屋にいつもの様にやってきたリアム様がすまなそうに頭を下げる。


「リアム様、王太子たる貴方さまがそう簡単に頭を下げてはなりませんわ。顔をお上げになってくださいませ。

 そのお言葉、謹んで承ります。もともと私は殿下に相応しい身分でも、身体でもございませんでした。どうぞお気になさらないでください。」


 リアム様は弾かれた様に顔を上げると、私が横たわるベッドの脇に跪いて、私の手を取る。


「本当にすまない、ディー。僕は君よりも大事な人ができてしまったんだ。......天使に、出会ってしまったんだ。」


「それこそ、喜ばしいことですわ。臣下としてお祝いを申し上げます。

 殿下が、私を気に入ってくださり婚約者としてくださいましたが、陛下も妃殿下も、反対しておられました。

 ......確かに私では、王妃として公務をこなすどころか次代を担うお子をお産み申し上げることすらできない可能性が高いのです。

 ですから、お二人の反対は当然のことです。どうか、今度こそお二人を安心させて差し上げてくださいませ。」


 そう言って微笑むと彼は更にすまなそうな顔をした。


「本当にすまない、ディー。僕は僕の幸せを見つけた。君は側妃でも良いと言ってくれていたが僕は彼女を愛してしまったから、側妃となってくれた君の元へ足を向けられないと思う。

 ......こんなことを言う僕が言っても信用できないと思うが......僕は君にも幸せになって欲しい。だから...。」


「えぇ、わかっておりますわ、殿下。最後までご恩情をかけてくださりありがとうございます。私は大丈夫ですわ、どうかお幸せになってくださいませね。

 父には私がきちんと話をしてできるだけ早く手続きをいたしますわ。」


 私はこれ以上彼に負担をかけたくなかったので、そう言って、にっこりと微笑む。彼は最後にもう一度頭を深く下げると、彼の名を記入済みの婚約解消届をテーブルに置き、静かに帰っていった。


 そう、私は生まれた頃から病弱で、幼い頃に医師からは『成人を迎えられないだろう』と言われていた。そんな私がここまで生きながらえたのは、家族の支えと、私の前世の記憶のおかげであろう。


 私は、この世界とは別の地球という星の日本という国で生まれて死んだ記憶がある。その世界はこことは違い、魔法はないが科学という技術があった。

 私はその人生でも、身体が弱く、いつも入院していた。心臓に欠陥があったらしい。身体はいつも重く、少し動いただけで息切れがし、食事もあまり喉を通らなかった。

 前世の私も『20歳を迎えられない』と言われていて、やはり18歳の時に死んだ。


 生まれ変わった後も身体が弱く、また『成人を迎えられない』と言われてショックだったが、その時に思ったのだ。


『でも、前世よりもきつくないよね?』


 そう、今世は身体は弱く、すぐ発熱してしまうが、喋るだけで息切れしたり、100メートル歩くだけでふらついたり、食事が全く取れず点滴だけで栄養を補わなくてはならないというほどではなかったのだ。


 だから、私はいけるんじゃない?と思えた。幸い我が家は伯爵家だったので、父母に無理を言って医者を変えてもらいーー一度診ただけで、あっさりと患者を諦める様な事を言う医師は論外だーー、料理長に頼んで身体に良い物を出してもらい、医師についてもらった上で適度に身体を動かした。新しい医師はサンディー先生といい、若いものの甲斐甲斐しく面倒を見てくださる方で、『絶対に貴女様を死なせません』と言ってくれた。


 そんな医師の助けもあり、『諦めません、死にたくない』と頑張っていたら、死の影は私から遠のいていった。

 けれども、私の身体はやはり常人より弱いらしく、ちょっとしたことですぐに熱を出すし、倒れてしまう。なので、貴族の社交などは一切できない。

 デビュタントだけはどうしてもしたいと両親に無理を言い、心配症のお兄様がエスコートしてくれて出席した。

 王宮はキラキラと輝く煌びやかなところで、嬉しくなった私はお兄様とダンスを踊った。こつこつとサンディー先生と頑張った成果である。


 その時に私を見初めてくれたのが、リアム様だった。家から一歩も出ないまま、生きてきた私は残念ながら彼がこの国の王太子様と知らなかった。誘われるまま、ダンスを2曲踊り、名前を聞かれたので、「ディアーナ・フランドルです。」と答えた。


 本当に残念な私はこの国の『男女の作法』とやらを勉強していなかった。こんなに身体が弱い私が恋愛や、ましてや結婚できるなんて思ってなかったし、貴族の社交場に出ることすらないと思っていたからだ。

 それにプラスして、親バカ気味なお父様とシスコン気味なお兄様が敢えて教えてなかったということもあったが。


 だから、夜会でダンスを2曲続けて踊った後に、名前を聞かれることが『求婚』で、答えることが『受諾』の意味になるなどとは知らなかったのだ。


 リアム様は大変優秀な王太子として近隣諸国でも名高い方だが、婚約者がいらっしゃらなかった。一度陛下が公爵家のオリビア様と婚約を進めようとしたが、当のリアム様が拒否をしたのだ。


「この話を進めるのなら、王位継承権を返上します。子供ができない様に処置した上で、王籍から抹消してください。私に弟はおりませんが、叔父上の息子、私の従兄弟のジョシュアがおりますので、次代は困らないでしょう。」


 リアム様は大変優秀な方で、将来名君になるだろうと言われている方だ。そして国王夫妻のたった1人の息子でもある。そこまで言われてしまうと、その話を進めることができなかったそうだ。

 その後も色々な令嬢を紹介されたらしいが、リアム様は全て断ったそうだ。夜会に行っても誰とも踊ることなく、女性への対応もすげない彼はまさか同性愛者ではないかと言う噂すら出たらしい。


 そんな折に、初めて彼からダンスを誘い、しかも2曲も続けて踊ったことに、陛下は仰天し、更に名前まで聞いたことに妃殿下は涙したらしい。


 けれど、せっかく王子が手を取った令嬢である私は、身体がとても弱かった。実際にお兄様とお父様と1曲ずつ、リアム様と2曲の計4曲踊っただけで翌日から1週間は寝込んでしまったのだ。


 陛下も妃殿下も落胆したそうだ。

『伯爵家の令嬢だからなんとか妃にはできるが、こんなに身体が弱ければ、次代は望めない。女性の手を取れるなら他の女性にしてはどうか』そう言って何度も説得したが、リアム様は頑として譲らなかったそうだ。


 私は、自分ではリアム様に相応しくないことも、そもそも作法すら知らなかったことも全て話したが、彼は笑って問題ないと言ってくれた。


「そもそも健常な人でも世継ぎができないことはままあることだ。それは私が君を諦めるに足る理由にはならない。次代が見込めなければ養子を取れば良い。王妃の公務も僕が代わりに行うし、そのための人を用意してもいい。


 ......僕は今まで女性を嫌悪していた。しかし、君を見た時、とても輝いて見えた。女性を美しく感じたのは君が初めてだ。いや、違うな、僕には君以外は美しいと思えない。

 だから、共に生きていくのは君しか考えられない。どうか僕と共に歩んで欲しい。」


 彼はそう言って再度求婚してくれた。

 前世の頃から男女交際なるものをしたことがなく、免疫がなかった私は驚いたし、どうして良いかわからなかった。けれど、彼の真摯な瞳を信じることにした。それにこのままだと、兄のお荷物にしかならないと思っていた私が家の役に立てる。


 何よりこの国は王族であれば側妃が娶れる。私といることで、殿下に女性の免疫がつけば良いのではないかと思った。だって私より美しい人なんて山ほどいるのだ。


 私は彼のことを好ましいと思っているが、私に子供は産めない可能性が高い。代わりに他の方が産んでくれれば、彼の子供に会える可能性だってある。昔よく読んだ童話の意地悪なお妃様の様な真似をするつもりは私には一切ない。他の方に子供ができるなり、もしくは政治的な事情で他の方を優先する必要が出てくれば、私が側妃になっても良い。そう思って彼の求婚に応えたのが半年前。


 国王夫妻は決して良い顔をしなかったが、私が思っていることを伝えたら渋々了承してくれた。


「君との結婚をより確かなものにするために行ってくるよ。」


 そう言って功績を上げるために、隣国に通商協定をまとめに行ったのがひと月前。そして、お帰りになったのが昨日。

 本来ならば私も王宮で出迎えるべきだったが、冬から春への季節の変わり目で、体調を崩してしまい、寝込んでしまっていた。


 そんな私の元へリアム様はいつも通りお見舞いに来てくれて、そしていつもと違って『婚約解消』を言い出したのが、今日である。


 なんだかこの半年で色々ありすぎじゃないかと思ったが、仕方のないことだろう。そもそも私は最初から彼に相応しくなかったのだ。

 それなのに、こうやって私の部屋に来てくれて頭を下げてくれる彼は、やはり誠実で思いやり深い方だった。


 父が王宮から帰ってきたので、大事な話があるとからと家族皆を私の部屋に呼び、今日殿下に婚約解消を告げられた旨を話すと、父と兄は顔を真っ赤にして怒った。


「うちのディーが病弱であることも、何もかも承知だったのではないのか!」


「仕方ありませんわ、お父様。

 私、実のところは『形ばかりの、国王の足を引っ張るだけのお妃様』にならずに済んでほっとしてますの。殿下がきちんとした方をお迎えするならむしろ喜ぶべきだと思っています。」


「けれど、ディー。君だって殿下のことを愛していたんじゃないのか?」


「好ましくは思っておりました。だってこんな私に唯一愛を囁いてくださった方ですもの。

 けれど殿下や殿下の愛する方が憎らしいとかは全くありませんの。どうか幸せになって欲しいと思うばかりです。」


「あぁ、なんてことだ! 免疫をつけなさすぎた! ディーがあまりにも可愛いから、男友達に紹介しろと言われているのを片端から断りまくってた弊害がこんなところに出た!」


 そう言うなり、兄は頭を抱えてしまった。そんな兄にものすごく優しい瞳をした父は兄の肩をぽんと叩く。


「お前は何も間違っていない。ディーにその辺の男を近づけない判断は正しい。」


「そうなんだ。父さん、ディーは優しくて可愛い性格の上に、綺麗だろう?銀色の髪に淡い水色の瞳のディーはまるで雪の精の様で、

『儚くて融けてしまいそう、僕が繋ぎ止めて差し上げたい』とかなんとか言ってくる男どもを全て『僕に勝てたら考えてやる』と片端から駆除しまくってたんだ。

 だけどこんな...こんな目に遭わされても怒れなくなるほどディーの自己評価が低くなるなんて!」


「わかる、わかるぞ。わしも上司や部下から婚約を申し込まれたのを片端から断っておったのだ。」


 お父様、部下はともかく上司はまずいのではないでしょうか。そして父と兄の身贔屓万歳が爆発しすぎて困ってしまう。


「では、私も同罪ね。私だってお茶会で多数の奥様方から打診をいただいたけど、どなたも断ってたわ。身体の弱いディーをどこにでも嫁がせるわけにはいかないもの。それに月には太陽が相応しいと思ってましたし。」


「母さん、何言ってるんだ、ディーは『銀雪姫ぎんせつひめ』と言われているんだよ?太陽なんてもってのほかだよ。」


 お兄様の言葉にお父様も頷く。家族の私に対する愛情がすごい。ありがたいけど、すごく恥ずかしい。


「あのう、お兄様、私は王族ではありませんが、姫と言われても......。不敬にあたりませんか?」


「ははは、ディー。姫ってね、女性に対する美称としても使われるものだから、ディーが心配する様なことはないよ。」


 そう言って朗らかにお兄様は笑う。

 知らぬ間に私は、なんだかどこかで聞いた様な呼ばれ方をいつの間にかされていたらしい。色がちょっと変わっただけですごくパチモノ臭い。音読みと訓読みの差ってだけとは言えない、このなんとも言えないもやもや感。


 今日の私にとっては殿下との婚約解消よりも私のパチモノ臭い呼ばれ方の方が気になって気になって仕方がない。


 殿下が置いていった婚約の解消届けに私はすでにサインしていた。明日父に提出してくる様にお願いしたら、父は執事のロナルドに「今すぐ受理してもらえ」と言って書類を渡した。


 もともと私と殿下の婚約を国王夫妻は反対していたので、いつでも解消できる様に書類は整っていたし、解消の際の慰謝料などもあらかじめ決めておいたので、円滑に終わってしまい、その日のうちに私と殿下の婚約は解消されてしまった。


「こんな遅い時間でしたが、『殿下の婚約解消届は24時間受け付ける様に言われている』らしくすぐに処理してもらえました。」


 労をねぎらう父にロナルドはそう答えた。やはり国王夫妻はよほど私が嫌だったのだろう。まあ仕方がない。子供も可愛いけど、孫の可愛さは格別らしい。きっと今度こそ国王夫妻は喜んでいるに違いない。我が家もたんまり貰った慰謝料で潤ったので、私としても満足のいく結果に終わった。

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Tags: #異世界